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抗肥満薬シブトラミンは心血管イベントを増やしてしまう - NEJM論文

抗肥満薬として世界では比較的広く使われてきたシブトラミン(Sibutramine)ですが(日本では未承認;ただし個人輸入の抗肥満薬としては比較的有名です)は、「心血管イベントを増やしてしまう」という論文がNew England Journal of Medicineに最近、掲載されました(Effect of Sibutramine on Cardiovascular Outcomes in Overweight and Obese Subjects. NEJM 363:905-917, 2010.)


試験は二重盲検試験として、平均3.4年間、シブトラミンまたは偽薬を被験者(55歳以上の心血管リスクまたは糖尿病のある肥満患者、約9800人)に投与して比較していますが、結果は下記のように、シブトラミン群で心血管イベントが増えてしまった、というものでした。



さらに詳しく有意差を見たものが下記です:



そして、その原因としては、非常にわかりやすいデータとして、「シブトラミンによる心臓への負荷」というのが下記のように示されていました:






以上により、少なくとも長期間(年単位)、シブトラミンを飲み続けるのは身体にとって良くない、ということはほぼ間違いなさそうです。この結果を受けてFDAでもシブトラミンの取り扱いをどうするか、協議されたそうですが、今のところ、判断は保留のようです。


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