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武田薬品のDPP4阻害剤「ネシーナ錠」(アログリプチン)、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会が承認を了承、6月頃に発売へ

武田薬品のDPP4阻害剤「ネシーナ錠」(アログリプチン)が2月末に厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で承認の了承を得たとのニュースがありました。「承認の了承」から先は正式な「承認」を経て、「薬価収載」され、発売へ、という流れになっており、最短では6月頃に発売になるそうです。下記は薬事日報からの引用です。


薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は2月26日、糖尿病治療薬の配合剤として国内初となる武田薬品の「メタクト」、ファイザー帯状疱疹後神経痛治療薬「リリカカプセル」など9品目を審議し、承認を了承した。いずれも今月の薬事分科会を経て、4月にも正式承認される見通し。

(中略)

▽ネシーナ錠6・25mg、同12・5mg、同25mg(武田薬品が製造販売):有効成分はアログリプチン安息香酸塩。効能・効果は、2型糖尿病。服用の対象は、[1]食事療法、運動療法のみ[2]食事療法、運動療法に加えてα―グルコシダーゼ阻害剤を使用――で十分な効果が得られない場合に限る。再審査期間は8年、原体・製剤とも毒薬・劇薬には該当しない。


 同剤は、ジャヌビア錠、エクア錠に次ぐ3番目のDPP‐4阻害薬。承認に当たり、指示事項として、海外で心血管イベントのリスクを評価するデータが報告された際、医療機関に情報提供することを求めた。


以前のエントリーd:id:bonbokorin:20090328:p3に書いた通り、アログリプチンはちょうど1年程前、FDA(米国食品医薬品局)から心疾患リスクに関する詳細なデータ提示を求められ、承認が先送りになる懸念から日本でも株式市場が反応し、ストップ安になったわけですが、その後、日本国内での承認へ向けて立て直しを図ってきて、その目処がほぼ立った、という状況のようです。


FDAが心疾患リスクに関する詳細なデータを求めた背景も、アログリプチンに特別な事情があってのことではなく、ある時期から一律にそういう方針に転換した、ということだそうです (2008年12月にFDAより出された新ガイドライン:"Guidance for Industry: Diabetes Mellitus — Evaluating Cardiovascular Risk in New Antidiabetic Therapies to Treat Type 2 Diabetes"による)。しかし、その「方針転換」によって結果的に米国資本であるメルクが開発・販売中のシタグリプチンにアドバンテージが与えられることになったのも事実で、薬の開発競争にも国際政治が絡んでいることを垣間見せられた気がします。


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