特定健診日記

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ロスバスタチン(クレストール)で静脈血栓塞栓症も減少-JUPITER試験から

以前のエントリーd:id:bonbokorin:20081204:1228318979で高感度CRP高値のみの正脂血症者の1次予防として、ロスバスタチン(クレストール)が冠動脈疾患などの動脈硬化イベントを大きく減らした、というJUPITER試験の結果をお伝えしました。最近のNEJM誌に、その同じJUPITER試験で静脈血栓塞栓症についても解析を行ったところ、ロスバスタチン(クレストール)群で約40%も静脈血栓症が減少していた、ということが報告されました(A Randomized Trial of Rosuvastatin in the Prevention of Venous Thromboembolism. NEJM 360,in press, 2009.)。


主要なデータを下記にお示しします:



これまで、観察研究でスタチンによる静脈血栓塞栓症の改善が見られたとする報告はいくつかあるそうですが、逆に効果なしとする観察研究もあったそうです。ランダム化比較試験(RCT)での成績は今回のものが初めてだそうです。


高感度CRPが若干高いだけの正脂血症者の動脈硬化抑制にスタチンが効いてしまったというJUPITER試験はかなりインパクトがあったわけですが、今回の成績も同じくらいインパクトがありそうです。動脈硬化症と静脈血栓症との間にどのような共通の病態があるのか?など、基礎医学的な面からもさらに研究が進むことが期待されます。


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