特定健診日記

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NICE-SUGAR研究 - ICUでの厳格な血糖管理の必要性に疑問符

今週のNEJM誌にNICE-SUGAR研究(the multinational Normoglycemia in Intensive Care Evaluation–Survival Using Glucose Algorithm Regulation trial)という、集中治療室での血糖管理に関する臨床研究の結果が掲載されました(Intensive versus Conventional Glucose Control in Critically Ill Patients. NEJM 360:1283-1297, 2009.)。総計6104名の患者さんをランダムに厳格血糖コントロール群(81〜108mg/dl)と通常コントロール群(144〜180mg/dl)に割り付けて予後を比較したところ、通常コントロール群の方がむしろ予後が良かった、という結果でした(下図参照)。



2001年にベルギーのグループが同じくNEJM誌にICUにおける厳格血糖コントロールのメリットを報告(Intensive Insulin Therapy in Critically Ill Patients. NEJM 345:1359-1367, 2001.)してから、それが定説になってきていましたが、未だにコントラバーシャルであることも事実であり、今回の研究もその議論に一石を投じるものです。一口に「重傷患者」と言ってもいろいろな病態があるでしょうし、結論を得るのはなかなか難しいようです。


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