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高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)の背景 - 久山町研究

特定健診保健指導
先月、新しい高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)が発表になったことは以前のエントリーd:id:bonbokorin:20090116:p2に書いた通りですが、別のエントリーd:id:bonbokorin:20090128:p1でも触れましたように、いろいろな疫学データもたくさん盛り込まれていて、とても勉強になります。

今回は、「正常血圧は130/85未満」とされる根拠(この数値自体は初版のJSH2000や前回のJSH2004から変わってませんが)について取り上げておきます。この数字の一番の根拠となっているのは久山町という福岡県の小さな町で1961年から続けられている息の長い臨床研究である久山町研究からのデータ(下図)です。



こういう元データを見ますと、単に正常血圧がいくらか、というだけでなく、そこを上回るとどのくらいのリスクがあるのか、ということまでわかりますね。


久山町研究は日本で一番有名と言ってもよい臨床研究ですが、福岡市に隣接した糟屋郡久山町(人口約7,000人)の住民を対象に脳卒中、心血管疾患などの疫学調査九州大学医学部が1961年から脈々と行ってきたもので、大きな特徴の1つは亡くなられた住民の8割以上を解剖して死因、臓器病変を調べていることだそうです。また住民の8割を常に検診しており、開始からの追跡率も99%以上と高率とのことです。九州大学大学院医学研究院環境医学分野のホームページに詳述されていますのでご参照ください。


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