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またダイエット食品からシブトラミン検出

シブトラミンは海外では医薬品としての承認されている国もあるものの、日本では未承認の中枢性食欲抑制剤ですが、これまでにも幾多のダイエット食品への「混入事件」がありました。今回のは兵庫県で見つかったそうです。時事通信の記事からの引用です。

 兵庫県尼崎市の30代女性がダイエット食品のカプセルを摂取し、肝機能障害などを起こした疑いがあることが30日、県の調査で分かった。女性は「中国からインターネットで個人輸入した」と説明。食品からは国内で未承認の医薬品成分が検出された。女性は既に回復している。
 県によると、問題の食品は「SUPER BURNING SLIM 脂肪燃焼弾」(60カプセル入り)。1カプセル当たりシブトラミン12.4mgとフェノールフタレイン40.8mgが検出された。
 シブトラミンは肥満症の治療薬で血圧と心拍数が増加する副作用があり、日本では未承認薬。フェノールフタレインは国内で過去に下剤として使用されたが、発がん性があり現在は医薬品として使用されていないという。


厚生労働省のホームページに、下記の詳細情報が掲載されています。

商品名:紐仕康脂肪燃弾(SUPER BURNING SLIM 脂肪燃弾)
標榜: DIETARY SUPPLEMENT
原産国: 中国
形状: カプセル
検出された医薬品成分:シブトラミンフェノールフタレイン
備考: 肝機能障害及び甲状腺機能亢進が報告されており、本品による健康被害の疑いがある。


甲状腺ホルモン剤などが古典的な悪用例ですが、ダイエット食品へ混入された過去の事例が横浜市衛生研究所のホームページにまとまっていましたので、引用しておきます。

センナ

  • 緩下剤。主成分はセンノシドA・B。同じ成分を含有する生薬にダイオウ(大黄)がある。センナ含有の健康茶を飲んで「下痢が止まらない」「腹痛」などの健康被害がある。妊娠中の服用は避ける。

フェノールフタレイン

  • 緩下剤としてかつては使用されていたが、発ガン性が明らかとなり使用不可。現在、アルカリ性で赤色を示すPH指示薬として用いられている。

フロセミ

  • 利尿薬。医薬品として使用されている。体内の水分が短時間で排出されるので一時的に体重は減るが、電解質のバランスが崩れるので注意。高血糖の副作用もある。

フェンフルラミン

  • 食欲抑制薬。向精神薬。日本では無承認の医薬品。中国産ダイエット食品に高濃度含有していた物質。

N-ニトロソフェンフルラミン

  • フェンフルラミンに-NO(ニトロソ基)を付けた物質。肝障害を起こすとされている。フェンフルラミン同様、食欲抑制の目的で使われているが、医薬品ではない。

マジンドール

  • 食欲抑制薬。向精神薬。日本で承認されている医薬品(サノレックス)であるが、服用方法については医師の指示に従うこと。

シブトラミン

  • 肥満症治療薬。日本では未承認の医薬品であるが、アメリカ、イギリス、ドイツなどでは「塩酸シブトラミン水和物」が承認されており、「メリディア」または「リダクティル」という商品名で売られている。MAO(モノアミンオキシダーゼ)阻害薬(抗うつ薬)と併用すると、心拍と血圧が上昇し、極めて重大な健康障害を起こす可能性がある。海外だけでなく、日本でもシブトラミンを含有するダイエット食品がインターネットで販売されていたこともあり、現在も販売されている可能性は高いと考えられる。医師等の適切な指示がない状況でのシブトラミンの使用は避ける。

エフェドリン

  • 覚せい剤原料(濃度10%以上のもの)。生薬マオウ(麻黄)の主成分。医薬品は「塩酸エフェドリン」があり、鎮咳薬、気管支拡張薬として使用される。副作用として体温上昇、食欲不振、発汗などがあることから、ダイエット食品に使われると考えられる。サプリメントの成分表示などに「Ma−Huang」と書かれてあったら、エフェドリン含有の可能性が大なので要注意。

乾燥甲状腺

  • 局方医薬品は、ウシ、ブタ、ヒツジの甲状腺を乾燥し、粉末にしたもの。基礎代謝亢進、体重減少などの甲状腺ホルモン(チロキシン)作用を示す。1965年ごろから「痩せ薬」として乱用されている。甲状腺ホルモンを過剰摂取すると、心悸亢進、肝機能障害、無月経、精神不安定などの甲状腺機能亢進症と似た副作用が現れる。


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