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週にわずか7分の運動でインスリン感受性向上?

保健指導
「1週間あたりたった7分、2週間で計15分の運動でインスリン感受性が改善した」という研究報告があったそうです。ロイターニュースからの引用です。

たった数分間でも激しい運動をすれば、血糖値をコントロールし糖尿病を予防するのに役立つ可能性があるとの研究結果を、英国の専門家らが28日、ジャーナル「BioMed Central Endocrine Disorders」で発表した。

 ヘリオット・ワット大のエクササイズ・バイオロジスト、ジェームス・ティモンズ氏の研究チームは、20代前半の男性ボランティア16人のグループを対象にした実験で、週当たりわずか7分間の運動がインスリンの管理に役立つことを確認した。

 どちらかというと体調が良くない以外は健康という男性らに、エクササイズバイクで約30秒の全力疾走を含む運動をしてもらったところ、2週間後には体内の血糖値を下げるインスリンの働きが23%改善したという。


早速、原著論文をチェックしました。その序文によりますと今回の研究で行ったような、ごく短時間のhigh-intensity interval training (HIIT)は最近、長時間の有酸素運動と同等の効果があるのではないかと注目されているそうです。HIITの具体的内容は

2 weeks of supervised HIT comprising of a total of 15 min of exercise (6 sessions; 4-6 x 30-s cycle sprints per session)

つまり、30秒間の全力での自転車漕ぎを約5回というのを週3回、2週間続けた、ということです。この2週間のトレーニング(正味15分)に75gブドウ糖負荷試験を行ったら下図のようにはっきりと改善が見られたそうです。



従来の運動療法の常識では、最大酸素摂取量の50%程度の有酸素運動が最も効果的、とされてきたわけですが、今回の研究報告が正しいとすれば、今後、high-intensity interval training (HIIT)が糖尿病やメタボの運動療法としてどのくらい有効なのか、注目されそうです。今回の研究は少人数の健康人での成績ですが、どのくらい一般化できるのか、さらには、糖尿病やメタボの人に(安全かつ効果的に)応用できるのかどうかの検証も待たれるところです。


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