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運動療法についてのよくある誤解

保健指導
運動療法について、「〜運動は〜分で〜カロリー消費」というような情報をしばしば目にします。こうした数値を見ると「なんだ、意外に消費カロリーは少ないんだ」と思い勝ちです。しかしながら実際には、運動で消費されるカロリーというのは、こうした数値で表される「運動中のもの」だけではなく、「運動後」にもカロリーが余分に消費されることが知られており、超過代謝:EPOC(excess postexercise oxygen consumption)と言われます。EPOCは数時間から十数時間に及ぶこともあるとされ、運動中に消費されたグリコーゲンの補充や、壊れた筋繊維の修復などに伴って、当然のことながらカロリーも消費されるわけです。つまり、「運動中だけのカロリー消費量」を議論していてもあまり意味はなく、EPOCまで含めた全体量こそを本来はきちんと議論すべき、ということです。

またこれに関連して、「歩行では、〜分以上継続していないと脂肪酸の燃焼が起きてこないから、途中で休んではダメ」というような誤解もしばしば見受けられるものです。これも運動中のみの代謝生理の議論をそのまま一般化しているために生じる間違いであり、「途中で休んではいけない」というのは全く根拠のない話です。基本的に、運動量とカロリー消費は比例関係にあり、どんな短い時間の運動でも「短いがゆえに無意味」ということはありえず、それなりの意義があるわけです。


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