ノバルティス社のDPP4阻害剤、エクア錠(ビルダグリプチン)に製造販売承認
本日(1月20日)、ノバルティス社のDPP4阻害剤、エクア錠(ビルダグリプチン)に厚生労働省より製造販売承認が下りたとのニュースがありました。
先月、発売になったシタグリプチン(ジャヌビア錠・グラクティブ錠)に続き、本邦では2剤目のDPP4阻害剤になります。3月〜4月に発売予定とのことです。
以下はノバルティス社のプレスリリースです:
ノバルティス 経口2型糖尿病治療薬「エクア®錠50mg」製造販売承認を取得
ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:三谷 宏幸)は、1月20日、経口2型糖尿病治療薬として、「エクア®錠50mg(一般名:ビルダグリプチン)」(以下、「エクア」)の製造販売承認を取得しました。
「エクア」は、インクレチン分解酵素のDPP-4(ジペプチジルペプチターゼ-4)を選択的に阻害することでインクレチンの作用を高め、2型糖尿病患者さんの血糖値を改善する薬剤です。インクレチンは、血糖値に応じてインスリン分泌を促進すると同時に、余分なグルカゴン分泌を抑制することで血糖をコントロールする消化管ホルモンの一種です。
国内臨床試験において、「エクア」は、1日2回50mgを単独投与した際、HbA1cのベースラインからの変化量がプラセボと比較し-1.2%と優れた血糖降下作用を示し(1)、また、約5割の患者さんが治療目標値であるHbA1c6.5%未満を達成するという、確実な効果を示しました。その一方で、併用療法を含む国内臨床試験全体での低血糖発現率は1.0%であり、体重増加も起こしにくいことが確認されています。
現在、国内の2型糖尿病治療中の患者さんで治療目標値が達成できているのは約3割と少なく(2)、また、血糖値の下げすぎによる低血糖を起こす心配や体重増加があるなど、糖尿病治療においては、医師だけでなく患者さんにもアンメット・ニーズがあるのが現状です。
「エクア」国内外開発の医学専門家である東京大学大学院 医学系研究科 糖尿病・代謝内科 教授 門脇 孝先生は次のように述べています。「DPP-4阻害薬の『エクア』は、優れた血糖改善効果を示す一方、血糖値に応じて作用するため、低血糖を起こしにくい特徴を持っています。単独療法でも併用療法でも有用性の認められた『エクア』は、すでに2型糖尿病の薬物治療をされている患者さんのみならず、これから薬物治療を始める方にも有益な薬剤だと思います」。
ビルダグリプチンは、Galvus®の製品名で欧州連合(EU)をはじめ世界の約70ヵ国で承認されています(2009年12月現在)。
<参考文献>
(1) Diabetes Research and Clinical Practice 83(2009)233-240
(2) 金塚東,他 糖尿病49(12),919-927,2006(JDDM)
効能・効果と用法・用量は以下の通りです:
効能・効果
ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
1. 食事療法、運動療法のみ
2. 食事療法、運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
用法・用量
通常、成人には、ビルダグリプチンとして50mgを1日2回朝、夕に経口投与する。なお、患者の状態に応じて50mgを1日1回朝に投与することができる。