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日本糖尿病学会、糖尿病の新診断基準案を中間発表

以前のエントリーd:id:bonbokorin:20090608で米国と欧州の糖尿病学会が今年、糖尿病の診断基準を改定したことをお伝えしましたが、その動きを受けて、日本糖尿病学会HbA1cを前面に出した新診断基準策定へと動いているようです。11月2日付けで毎日新聞が下記のように報じています。


 日本糖尿病学会(門脇孝理事長)は1日、東京都内で開かれたシンポジウムで、糖尿病の新しい診断基準案を発表した。従来の診断で使ってきた血糖値に、過去1〜2カ月の平均的な血糖の状態を示す血液検査値「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」を加える。現在の診断基準が作られた99年以来の大幅改定となる。


 血糖値は食事や運動の影響を受けやすく、検査直前の生活習慣で大きく変動するため、HbA1cの導入によって、より確実な診断を目指す。


 新基準案では、血液検査の血糖値かHbA1cが基準値を超えた場合、糖尿病を疑う。血糖値の基準値は現在と変えず、HbA1cは6.1%以上とする。さらに、別の日にもう一度血液検査を受け、再び基準値を超えた場合、正式に糖尿病と診断する。ただし、正確を期すため、2度の血液検査ともHbA1cだけで診断することは認めず、1度は血糖値を確認することを求める。


 また、1度目の検査で基準値を超えた際、のどの渇き、体重減少など糖尿病に典型的な症状がある場合、糖尿病による網膜症がある場合は、その場で糖尿病と診断される。


 今後、同学会会員から新基準案への意見を募集し、10年2月ごろにも新診断基準を発表、実際の診断への適用を始める予定だ。


つまり、現在の「複数回の血糖検査で診断」という考え方の基本は変えず、HbA1cについての基準値を6.1以上として新たに盛り込む形となりそうです(これまではHbA1c≧6.5%なら糖尿病と診断してよい、とだけされてました)。


また、HbA1cについてのJDS値(日本)とNGSP値(米国・欧州)の違いについても、最終案では整理して発表されるそうです。


なお、JDS値とNGSP値の間の換算式は下記とされています:

JDS値(%)=0.981×NGSP(%)−0.294
NGSP値(%)=1.019×JDS値(%)+0.30


2010年6月追記:
第53回日本糖尿病学会年次学術集会におきまして、今後はより簡略化された下記の換算式を使っていくことが確認されました:

NGSP相当値(%)=JDS値(%)+0.40


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