特定健診日記

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LH比に注意。 - アストラゼネカ・塩野義製薬がキャンペーン

コレステロール血症治療薬クレストール(ロスバスタチン)の製造・販売元であるアストラゼネカ塩野義製薬が「血管に注意。LH比に注意。」というキャンペーンを一般向けにこのほど、開始したそうです。下記はアストラゼネカ社のホームページのプレスリリースです。

このたび、アストラゼネカ株式会社と塩野義製薬株式会社は、一般市民を対象に動脈硬化治療の重要性を訴える「血管に注意。LH比(エルエイチヒ)に注意。」キャンペーンを実施いたします。


動脈硬化」とは血管の壁にコレステロールなどから成る脂のコブ(プラーク)ができた状態です。「動脈硬化」は心筋梗塞脳梗塞などの原因となっています。しかし、痛みやかゆみのような自覚症状がないため、放置されてしまうことが多くみられます。一方、これら動脈硬化性疾患による死亡は日本人の死因統計上、がんと並んで大きな位置を占め、死因の約30%に及んでいます。


このような背景を受け、本キャンペーンでは電車の中吊り広告や雑誌広告など多くのメディアを活用し多角的かつ幅広く「動脈硬化」の危険性と、動脈硬化性疾患予防のためのコレステロール管理(LH比)についてメッセージを展開していきます。




LH比とはすなわち、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)の比のことです。LDLは大雑把に肝臓から血管壁などへの「コレステロール転送系」の強さを、HDLは血管から肝臓への「コレステロール転送系」の強さを示していると考えられ、この両者の比・バランスがとても重要であることが近年、少しずつ明らかになってきています。つまり、一見、総コレステロールやLDLコレステロールが高くなくて正常に見える人の中にも、HDLコレステロールが非常に低く、「コレステロール転送系優位」な人はいて、そういう人は実は動脈硬化になりやすい、ということです。


LH比は理想的には1.5以下がよいと考えられています。例えばLDLコレステロールが120mg/dlの人はHDLコレステロールは80mg/dl以上あった方がよい、ということです。特に、既に動脈硬化性疾患(虚血性心疾患や下肢閉塞性動脈硬化症など)を発症している場合はLH比を1.5以下に保つことで動脈硬化巣が退縮しやすくなることが知られるようになってきました。(その知見の確立には、血管内超音波法(IVUS)という新しい検査手法も大きく貢献しています。)


なお、LDLコレステロールを低下させる薬剤としては、スタチン系薬剤(クレストール、リバロ、リピトール等)という非常に良いお薬が広く使われるようになり、大きく進歩していますが、HDLコレステロールを増加させるような治療法というのは未だに確立された方法がなく、今後の大きな課題として残されています。


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