特定健診日記

生活習慣病・メタボについてのホットトピックスを発信中

「肥満=メタボ」ではない!ということを裏付ける最近のヒトゲノム研究

特定健診保健指導
「肥満=メタボ」ではない、ということは以前のエントリーd:id:bonbokorin:20090122:p2でも触れてきましたが、最新のヒトゲノム研究の成果からも、「肥満の原因遺伝子と糖尿病の原因遺伝子は必ずしもオーバーラップしない」ということが明らかになりつつあります。

下記にお示ししますのは、昨年秋〜今年2月にかけてnature genetics誌などに掲載された、ヒトにおけるGenome-Wide Association (GWA)研究(全ゲノム相関研究)をまとめた図です。近年、ポストゲノム時代のゲノム研究の飛躍的進歩により、多因子遺伝疾患についてのGWA研究の成果が次々と報告されてきていることは以前も触れました(d:id:bonbokorin:20090105)。最新のレビューによりますと、糖尿病・肥満それぞれに20遺伝子近くがGWA研究から報告されてきていますが、それらに共通するものはむしろ少ないということが明らかになってきました。




肥満、即、メタボ、ではなく、代謝的には何ら異常を伴わない肥満もたくさんある、ということが表れています。なお、2型糖尿病については、インスリン分泌に関わる遺伝子が意外と多く見つかってきています。昔から漠然と「インスリン分泌=遺伝要因」「インスリン抵抗性=環境要因」ということが言われてきましたが、その経験的な知見がゲノムのデータから裏づけられつつあるように思います。


人気ブログランキングへ

にほんブログ村 健康ブログへ