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メタボは慢性心不全のリスク要因 - 厚労省研究班

特定健診保健指導
メタボは慢性心不全の発症リスクにもなるということが、厚生労働省研究班の調査で明らかになったそうです。時事通信の記事からです。

 慢性心不全患者に占めるメタボリック症候群(内臓脂肪症候群)の人の割合は、国内の一般に占める割合に比べ2倍超となっていることが、厚生労働省研究班の調査で分かった。4日、班長東北大学大学院医学系研究科の下川宏明教授が明らかにした。同教授は「慢性心不全を防ぐには、高血圧や脂質異常症、糖尿病に加え、メタボ対策も重要。メタボを放置すると心筋梗塞(こうそく)や慢性心不全に移行する可能性が示された」としている。
 同教授によると、慢性心不全とメタボの関係を明らかにした調査は初という。

 調査は2006年から3年間、同大のほか北海道大や山口大など国内6施設で、慢性心不全の患者計3440人を対象にメタボ合併率を調べた。結果は男性47%、女性20%で、一般人口に占めるメタボ割合(男性20%、女性7%)の2倍超となった。


高血圧は慢性心不全の危険因子ですから、メタボで慢性心不全になりやすくなっても何ら不思議はなく、順当な結果と言えますが、改めてきちんとしたデータが出た意味はもちろんあります。メタボは冠動脈の動脈硬化の促進を介して虚血性心疾患のリスクを高めるだけでなく、心臓に圧・容量負荷を掛け続けることでも心筋へダメージを与える要因になる、ということを再認識させられるデータです。また、治療薬という観点からは、RAA(レニン-アンギオテンシン-アルドステロン)系の阻害剤(ACE-IやARB)は心筋リモデリングを抑制することで慢性心不全の悪化を緩和することが知られていることや、肥満者の糖尿病発症を減らすことが明らかになりつつあることなどから、今後、メタボの薬物療法として、ACE-IやARBの評価・位置付けがさらに高まるかもしれません。


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