特定健診日記

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新規抗肥満薬テソフェンシン(Tesofensine)のフェーズ2試験成績-Lancet誌

11月29日号のLancet誌に発表された論文です。従来の抗肥満薬(シブトラミン、リモナバン、オルリスタット等:いずれも日本国内では未承認)の約2倍の強い減量効果が認められたそうです。テソフェンシンの作用機序は、中枢神経系に作用し、シナプス前のノルアドレナリンドーパミンセロトニンの再吸収(不活性化)を阻害することで食欲を抑制することが主作用とのことです。



上の図は、Lancet誌の原著からの引用ですが、BMI30-40の肥満の治験者に摂取カロリー制限に加えてテソフェンシンを投与し、6カ月で10%前後の体重減少を達成できたことを示したものです。

副作用としては心拍数の増加などが見られ、有効性と安全性をフェーズ3試験でさらに確認する必要がある、と著者らは述べています。食欲抑制剤は究極のメタボ・糖尿病対策になりうる大きな可能性を持っていますが、食欲という生き物としての根源的な情動を抑えようとすると副作用を伴うリスクもそれなりに大きい、ということがこれまでのいろいろな薬で示されてきており、最近ではリモナバンも抑鬱傾向の副作用で躓いたばかりですし、まだお薬としてモノになるのか判断するのは早い段階ですが、期待を持って見守りたいと思います。


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