特定健診日記

生活習慣病・メタボについてのホットトピックスを発信中

「メタボ対策はいま 第1回-特定健診・特定保健指導の進捗状況と現場の評価を聞く」

特定健診保健指導

日経BPネットの特集「食と生活と健康」の中で「メタボ対策はいま」と題する連載が始まっています。以下に個人的に重要と思われた部分を引用します。

京都に本部を置き、東芝オムロン島津製作所をはじめとした約500の健保組合と契約して、年間約45万人に、健診受託医療機関として健診サービスを提供している京都工場保健会事業部長・橘 宏氏に、特定健診・特定保健指導の進捗状況や現場での評価について聞いた。

(中略)

:今年4月にスタートした特定健診の実施状況はいかがですか。

:(一部省略)問題は、二つ目の扶養家族です。今回の特定健診では、本人ばかりではなく、扶養家族(主に配偶者)も健診の対象になりました。これは従来にはない健診なので、健保組合側でも、健診する医療機関側でも準備やシステム的な対応が遅れました。準備やシステムが整い、健保組合が健診機関と集合契約を結んだ時点で、はじめて扶養家族も特定健診を受けることができるようになります。ほとんどの健保組合は、いまそこまでは進んでいます。しかし、特定健診が義務化されているのはあくまで健保組合に対してですから、扶養家族の側から見ると、健診を受ける権利があるという形になっています。実際に健診を受けるかどうかは、本人の気持ち次第です。健診の案内は行っても、本人が申し込まなければ未受診になってしまいます。
 ですから、扶養家族の受診率を2〜3割まで確保するということも結構難しい。さらに4〜5割まで受診率を上げるとすると、健保組合では、かなりの努力をしなければならないでしょう。


「扶養家族の側から見ると、健診を受ける権利があるという形になっている」とのことですが、健診受診率が60%を下回ったら保険者にペナルティーが発生し、おそらくそれは保険料の値上げという形に帰結する、という情報は正しく伝わっているのでしょうか?そういう制度の是非はさておき、このように決まってしまった以上は、それを周知していくしかないように思います。

特定保健指導の進捗はいかがですか。

:かなり遅れ気味です。特定健診は初年度から取り組んでも、保健指導のほうは、初年度は少し様子を見ようという健保組合が多いのです。というのも、国でも、保健指導の義務化はしたものの、5年間で計画的にやれば良いという通達を出しましたね。そのため、必ずしも1年目からすべての人に保健指導を実施しなくても良くなった。2年目、3年目と対象者を増やしていくという計画でも良いわけです。そこで、今年は配偶者の受診率を上げるほうに予算と力を入れようという健保組合もあります。一方、保健指導が義務化された以上は、保健加入者には指導を受ける権利があるのだから、初年度から両方やっていくという方針の健保組合もあります。ただ、様子見のほうが多いのが現状ですね。

:保健指導に関しては、現在は様子見の健保組合が多いという話でしたね。こうした健保組合は、09年の春ごろから保健指導に取り組もうとしているのでしょうか。

:09年春の健診データが出る時期に、今年熱心にやった健保組合のデータが良くなったと分かったら、ほかの健保組合もこぞって動きだすでしょう。保健指導をやるメリットがあると判断できるわけですから。逆に、健診データがあまり良くなければ、動きは鈍いかも知れない。ですから、1年目の成績はものすごく大事だと思いますね。


なるほど、やはり今年は「模様眺め」だというわけですか・・まぁしかし、意図的にそのようにしているというより、対応能力がないためにできない、という要素の方が大きいような懸念も拭えません。来年度の健保組合の動き方を見ていれば、その点はもう少しはっきりしてきそうです。しかし来年度、健保組合が仮に一斉に動き出しても、今度は保健指導実施機関側の事情が律速段階となって思うようには動かない可能性も十分にあるわけです。そこまで考えたら今年やはりもう少し「努力」しておくべきだったのでは、という気はしてしまいます。


人気ブログランキングへ

にほんブログ村 健康ブログへ