特定健診日記

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メタボ・糖尿病の食事療法:炭水化物(糖質)の適正な割合は?

最近、特に糖尿病の食事療法について、「炭水化物(糖質)はできるだけ減らした方がよい」というような誤った考え方がしばしば流布されます。確かに短期(数日〜数週程度の期間)的には糖質制限食で血糖値は低下傾向となりますが、中長期的に見れば、悪影響が出てきます。炭水化物を減らすと必然的に脂肪分が増えてしまうことがその理由と思われます。脂肪は見た目以上に高カロリーであることや体内で貯蔵に回りやすいことに加え、炭水化物が少ないと満腹感が得にくいために、トータルのカロリーが増えてしまいがちなことも一因と考えられます。

わが国の糖尿病患者数は、下図のように、この50年間に約30倍に増加しましたが、その背景に「食事の高脂肪化」(欧米化)があったことは有名です。



そして、さらに詳細にカロリーの内訳を見ると、驚くべきことに、下図のように、総カロリー摂取量はほとんど変化していないのです。



これを見ると「脂肪がいかに身体に悪いか」一目瞭然かと思います。


古代中国の古典である論語に、理想の君子像としての孔子先生の「生活習慣」について、次のような一節があります(郷黨第十):

「肉雖多、不使勝食気」(肉は多しと雖(いえ)ども、食(し)の気に勝たしめず)             『論語』(郷黨第十)

「肉がたくさんあっても、主食のご飯の量は超えないようにしていた」という意味です。動物性脂肪は控えつつ、炭水化物はしっかり取った方がよい、というのは大昔からの知恵ということですね。


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