特定健診日記

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米国糖尿病学会(ADA)・国際糖尿病連合(IDF)・欧州糖尿病学会(EASD)の3団体、新たな糖尿病診断基準を発表

ニューオーリンズで開催中の第69回米国糖尿病学会(ADA)のシンポジウムで新たな糖尿病診断基準が発表されたそうです。内容はDiabetes Care誌にも公開されました(International Expert Committee Report on the Role of the A1C Assay in the Diagnosis of Diabetes)。

結論としては、

HbA1c≧6.5%を糖尿病の新たな診断基準とする

ということだそうです。


その根拠については、日経メディカルオンラインからの引用ですが、

  1. 糖尿病の基本的概念である持続性高血糖は、空腹時血糖値や食後2時間血糖値などでは代表できず、現行の指標の中ではHbA1cが最も適切である
  2. HbA1cの測定は、空腹時採血や負荷試験を必要としない
  3. 現行の治療目標はHbA1cに基づいており、診断でもHbA1cを使った方が診断と治療の間に連続性が認められる


とのことです。


考え方・結論とも非常に妥当なものだと個人的にも思いますが、ひとつ問題があるとすれば、HbA1cの測定値にはいまだに国・地域ごとの違いが残っている点です。日本では米国の値より0.4くらい低い値が出るのが一般的とされ、米国の6.5%は日本では6.1%くらいに相当するのではないかと言われているようです。実際、わが国の「国民健康・栄養調査」からの糖尿病罹患者数の推定(平成19年890万人)には、HbA1c≧6.1%という基準値が使われてきましたが、実は今回の発表内容はほぼそれに近いと言えます。


今回の発表を受けて、日本糖尿病学会でも近い将来に診断基準をおそらく変更することになるかと予想されますが、その際にカットオフ値がいくつに設定されるか、注目されます。(個人的には「6.1以上」になるのでは、と予想します)


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