この50年間の年齢別血圧水準の推移
先日、正式発表された高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)ですが、冒頭に高血圧の疫学についての章があります。そこにいくつか個人的に興味深いデータが示されていましたので、少し取り上げておきたいと思います。
まずはこの図、この50年間に日本人の平均血圧（収縮期血圧）がどのくらい下がってきたかを年齢別に見たグラフです。男女とも、特に高齢者の血圧が顕著に下がってきていますね。
年初に発表された「平成２０年人口動態統計の年間推計」（下図参照）等にも出ているように脳血管障害による死亡が明らかに減ってきたことには、この高血圧の是正が大きく寄与していそうです。一方で心疾患死は逆に増加してしまっていることは、血圧の改善を帳消しどころか上回る、代謝異常（糖尿病や高脂血症）の増加があると見なければならないように思われます。メタボが国民衛生上の大問題であることは、このような統計データにも現れています。
