特定健診日記

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メタボリックシンドロームと糖尿病の関係:血糖基準値の違いの意味

特定健診保健指導
メタボリックシンドロームと糖尿病の関係について、「メタボの人は糖尿病になりやすい」というのはよく知られた事実ですが、メタボと糖尿病の診断基準の血糖基準値の違いについて、考察しておきたいと思います。

糖尿病の診断基準にある、「空腹時血糖126mg/dl以上」というのは、糖尿病網膜症(細小血管症)の発症という観点から、国内外の複数の疫学データを検討した結果、定められたカットオフ値です。それに対し、メタボリックシンドロームの診断基準で用いられる血糖の基準値は「空腹時血糖110mg/dl以上」と、低く設定されています。その理由は、メタボは虚血性心疾患を中心に考えているためであり、「空腹時血糖110mg/dl以上」で既に虚血性心疾患のリスクが増大してくる、という疫学データからそのように設定されています。つまり、糖尿病の診断基準では、糖尿病に該当しない「境界型耐糖能異常」の段階でも、既に大血管症については危険因子になっている、ということです。

さらに、このメタボ判定のカットオフ値は110であるべきなのか、さらに低く、100であるべきなのか、という点が昨今トピックスになっています。2005年から国際基準(IDFやNCEP ATPIII)では100mg/dl以上という基準が採用されており、国内においても実は、特定保健指導の層別化においては、「100mg/dl以上」が使われています。おそらく今後、日本におけるメタボリックシンドローム診断基準の値も100mg/dlに下げられる方向になるのではないでしょうか。


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